けど、4回目もまた、負けたのはやっぱりナカちゃんだった。

「何負けてんだよ?さては告白したいからわざとぉ?いやんっ」

北川君がナカちゃんをからかう。

「あなたの好きな人は誰ですか?」

アキちゃんの彼氏が、ボールペンをマイク代わりにして、ナカちゃんに向けた。

「そんなの……」

いつも強気なナカちゃんが、動揺を隠せずにいる。

「そ、そんなの、言わなくていいと思う!大事な気持ちは、好きな人だけに伝えればいいと思う!」

私は見かねて、口を挟んでしまった。

「じゃあさ、名前はなしで、好きな人の、どこが好きか言うっていうのはどう?」

アキちゃんが、私の言葉を受け取って、提案してくれた。

「それは……」

ナカちゃんは少し考えると、

「何で好きかなんて、わかんないよ」

口を開く。