ボクは桜、キミは唄う

そして、

「歩ける?」

聞くと、そっと私を床に下ろす。

「うん。ゆっくりなら」

「じゃ、部屋上がってて。俺湿布とってくる」

「うん」

柚木君の部屋は昨日と少しも変わらない。

けど、今日1日いろいろありすぎて、昨日の事がすごく遠く感じる。

しばらくすると、柚木君が湿布を片手に部屋に入って来た。

「また右足?」

「うん」

座ってる私の足首に湿布を貼ってくれる柚木君。

「どんな転び方したら、こーなるんだよ?」

「ごめん」

「あ、別に、怒ってるわけじゃないけど」

本当?と聞こうとしたけど

「違う!やっぱ怒ってたんだった!そうだ、俺怒ってんだよ」

やっぱり怒ってたみたい。