ボクは桜、キミは唄う

「ちょっと、邪魔しないでよ!はる君は私と一緒に」

マネージャーは睨みをきかせて私に近づいて来る。

どうしよう?

すごい怒ってる。

柚木君は私を急いでお姫様抱っこすると

「マネージャー、ごめん」

と言いながら家までダッシュした。

「ひゃっ」

お、お姫様抱っこなんて。

重たかったらどうしよう?

ドキドキ激しく高鳴る心臓の音は絶対柚木君に聞こえてる。

でも柚木君があまりにも軽やかに走り出すから、しがみつくのが精一杯。

そのまま家に入り込むと、柚木君は急いで鍵をかけて

「めんどくせっ。うざっ」

と言って一息ついた。