ボクは桜、キミは唄う

「私、頑張る!」

「お?急に元気になった?」

ウジウジ悩んでても仕方ないもん。

「うん、私なんとかする!けど……」

「ん?」

「マネージャー、やっぱり怒ってるのかな」

靴を隠すほどに。

柚木君と私達がダメになればいいと思ってる?

確かに最初から敵に回しちゃいけない予感はしてた。

「あぁ、怒ってるっつーか、ヤキモチ?あいつ楓ちゃんの彼氏を好きみたいだから。けど、その辺の話はちゃんとつけたから、しばらく楓ちゃんに直接嫌がらせはないと思うよ」

話つけたって、どうつけたんだろ?

疑問に思って聞こうとした時、目に飛び込んで来た光景が私の胸を刺した。

ズキンッ。

柚木君の家の近くの曲がり角で、私服の柚木君とマネージャーが立ち話をしていたんだ。