ボクは桜、キミは唄う

「いーよ、別に。本当の事言って。全部知ってるから」

あれ?知ってる?

全部?どうして?

「そうなの?でもマネー……」

マネージャーがした証拠はないしって話そうと思ったのに。

柚木君の口から出て来たのは思いもかけない言葉だった。

「飯田先輩とずっと一緒だったんだろ」

一瞬、何が起きたのかわからなかった。

「高田先輩が来て、楓花と飯田先輩が仲良く話してるって言ってきた」

高田先輩って、確かマネージャーと仲のいい人だ。

よく一緒に歩いてるとこを見かける。

あの高田先輩がわざわざなんでそんなウソを?

「俺らの事心配して、わざわざ教えに来てくれたんだ。俺、楓花の事信じたいから今まで気にしないようにしてきたし、高田先輩に言われても、まさかって思ったのに。

昨日、楓花がもう飯田先輩と話さないって言ってくれたの、嬉しかったのに。

無視なんて無理だろって言ったのは俺だけど」