恋愛フラワー

言われている事がわからず見つめると、見つめ返されて視線が外せなくなった。

胸が騒ぐ。

まだ恐怖は消えていない。

でも私以上に何かに怯え、悲しんでいる彼から目が離せない。


「アネモネの花言葉は、はかない恋、恋の苦しみ、薄れゆく希望…」


そう言ってから彼は少しだけ間を置き、続けた。



「そして…期待、可能性…」



期待、可能性…。


「俺を許してくれませんか」


こんなに彼が必死な訳が、今はじめてわかった。

涙が溢れる。

なぜ彼がここに来たのか。

なぜ私にブーケを依頼したのか。

なぜ赤いアネモネを選んだのか。

こんなに花が好きな人で、こんなに花言葉を知っている人が、『赤いアネモネ』の花言葉を知らない訳が

ない。