――次の日。 学校に着いて、靴を履き替えていると、 「お、大橋さん、おはよう」 と小さな声で声をかけられ、反射的に声がした方に振り向いた。 「おはよう」 その子は、黒縁眼鏡をかけていて、髪を二つに結んでいる。 何ていう名前か分からないけれど、同じクラスの子だ。 教卓の前に立って挨拶したとき、いたような気がしたからそうだと分かった。