「そっか、じゃあ大丈夫そうだな」


なんて言いながら、また私に向かって微笑んだ。


「じゃあ、遅くなると悪いからそろそろ帰ったほうがいいよ。ごめんな、呼び止めて」


「いえっ」


「...じゃ、また明日な」


「あ、はいっ、また明日」



私は、通り過ぎていく先生の後姿をぼんやり眺めていた。



―――優しい人。

眺めながら、私はそう思った。