私は、雪奈と別れて生徒玄関へと向かった。 本当は、家の人になんて心配なんてされない。 ただ、また迷惑をかけてしまうのが嫌だから。 これ以上迷惑な存在だと思わせられたくないから―――...。 「あ、大橋じゃん」 ふいに名前を呼ばれて、声のした後ろの方に振り返った。 「長谷川、先生」 そこにいたのは、長谷川先生だった。