そして、雪奈はガラッと美術室の扉を開けて、中に入った。


私も続いて、中に入ったその瞬間。


絵の具の独特の匂いが、鼻にツーンと広がった。


美術室独特の、匂い。


――...私の、好きだった空間。


だけど、今は、胸を苦しめる空間でしかない。