お互いに何秒か見つめ合っていたけれど、表情を真っ先に変えたのは先生だった。 さっきと同じ優しい笑顔を浮かべて。 一番後ろにいる私の方へ歩み寄ってくる。 隣の子も、前にいる雪奈も猫背になりながらプリントをすらすら解いている。 「どこか、分からないところでもあった?」 私の席の横にしゃがんで小さな声でそう聞いてくる先生。 ――トクン。 また私の胸が音を立てた。