「そんなことないよ、二人のほうが上手だよ」


3人でまとまって席に座って絵を描いていた私たち。


雪奈は、私と一緒に窓から見える風景を、由香里は前から描いていたというポスターに色を塗っていた。


「いいね、栞ちゃんの絵」


後ろから声が聞こえて、反射的に振り向いた。


そこには。


「山田先輩!」


山田先輩がにっこり笑顔を見せながら立っている姿があった。