辺りを見回していると、ドアが開く音と共に真っ黒な男が入ってきた。 真っ黒な髪、瞳、服、 …そして、翼。 あく…ま? 「目が覚めたのか。」 真っ黒な瞳を向けられた女が身構えるのを男も感じとる。 バサッ 男を警戒するように青い瞳で鋭く睨み付け、白い翼を大きく広げる。 そんな天使を男は何も言わず、何もせず、ただ見つめる。 「悪魔なのか?」 鈴のような声に男の鼓膜が揺れる。 「ああ…、 どうして天使が魔界に?」 ゆっくり一歩づつ天使に近づく。 「魔界…」 だから、違和感が…。