「女物の服を用意しろ。」 魔王の一言で、近くにいた男は深々と頭を下げその場を離れる。 ベッドへゆっくりと女を下ろし、毛布をかけてやる。 「お待たせいたしました。」 さっきの男が顔を上げず、主である魔王に真っ黒なネグリジェを差し出す。 「…このことは他言無用だ。」 一瞬男に目を配り、出ていくように指示をする。 男はベッドの脇に頼まれた物を置き、一度も顔を上げることなく部屋から出ていく。