「…」
「まぁ、とりあえずゆっくりしていってよ」


奏は机に珈琲の入ったカップを置いた。


彼はまだ硬直したままである。
……それもそうだろうが


話はほんの10分前まで遡る…









「あ…あれぇ?君…僕が見えてるんですか…?」
「えっ?なんで?見えてて普通なんじゃないの?ていうか君…天使?」






お互いで質問しあってどうする。





「は…はいそうですけど…あの…」
「あの?」

奏が俯いた彼の顔を覗き込む。
彼はおどおどした様に言う。


「こ…ここだと人目につくんじゃ…」
「あ!そう言う事ね。んじゃ家入って!とりあえず何か出すわ」
「いっ…いえ!お気になさらず…」







…とまぁこんな感じから今に至る。


「そんなに緊張しなくていいよ」
「いいい…いや…そうは言われましても…」


そう言いながら、天使はカップを取る。