【優梨亜side】
「行ってきまぁーす」
「行ってらっしゃーい。ちゃんとご飯食べるのよ?」
「分かってるって」

あたし、咲坂優梨亜。
パパとママは仕事で海外行っちゃうから、あたしは全寮制の『凰凛学園』に転校する。
確かパパとママの母校だったはず。
可愛らしい制服に身を包んで上機嫌のあたし。
でも気がかりがひとつ。
さっきママが言っていた『何があっても驚いちゃ駄目よ?』って
一体何だろ。
もろ驚くことがありますって言ってるようなもんだよね。
そんなことを考えていると少し先の方にお城みたいな屋敷みたいな大きな建物が見えてきた。

ぬおお!
目の前で見るともっと凄い。
こーゆー家は見慣れてるけど、さすがに学校は見たことがない。
まあ、とりあえず早く職員室行こ。

・・・・・・・・・・
ポン、ポン、ポン、チーン。
「・・・迷った」
広い。
広すぎる!この学校!!
もはや、どっから迷ったのかが分らない。
確か生徒手帳に校内地図が・・・あった!!
えーっと、何々?
現在地はっと・・・真逆。
つっ立っていても仕方ないので地図を見ながら歩き出した。
ココを右に曲がって、真っすぐ行って、左曲がって、

ドンッ!

「キャッ!?」
角を曲がった所で誰かとぶつかった。
「あっ、ごめんなさい」
「こっちこそごめんね。大丈夫だった?」
「はい、大丈夫でっ!!??」
あたしは