【完】金魚色の恋







「寂しかったんだろ?
お前…泣いてた。泣きながら、寝てた。

なぁ…涙ためて、いいことなんかあるのかよ。

ガキ二人、それで喜ぶのかよ。

寂しいなら、花澤でも、圭でも、神野さんでも、…俺でもいいから、無理矢理そばにいさせろ。
誰も…


お前の涙なんか望んでねぇんだ」


「だ、だって…っ。

言われたんだもん…っ。

前、お母さんに『泣いちゃだめ。泣いたらうっとおしいから』って。
あの日だって…

泣いたから…っ、お母さん…出て行っちゃったんだもん…っ」


子供みたいに、両手で顔を覆う高野。


「みんな…っ


離れて行っちゃう…っ」



あぁ…そっか。


やっと…わかった。


俺は、グッと高野の腕をひっぱり、そっと抱きしめた。