【完】金魚色の恋






「おねーちゃん!! …不法侵入?」

「ちゃんと断ってきたっつの」


ってか、

なんで小学生がそんな言葉知ってんだよ…。


そんな事を思っていると、ドアがさらに開く。

見ると、俺は目を丸くした。

「おーいガキンチョ、なにして…って、あれ、君は…」

この人…確か、”清二さん”。

俺は、ペコッと軽く頭を下げた。


「三橋くん、だっけ。看病してくれてたんだ」

「いや…気になってきただけです」


今だって…看病なんてしてない。

「なぁ、京哉ぁ」

「お前…実、呼び捨てかよ」

俺は、実を呆れ顔で見る。

「実來姉ちゃん、”寂しい”とか言ってなかったか?」

「は? …別に、言ってなかったけど」


”行かないで”って言われたけどな。