唇を離し、帰ろうとすると、グッと高野が俺の服を掴む。 「おい…」 「ゃ…」 起きてんのか?? そう思い、高野の顔を覗き込む。 まだ、涙を流してる…。 「寝てんのかよ…。 …高野、離せ」 「っねがい…そばに、いてぇっ…」 「…っ。 バカだろ、お前…っ」 俺は、もう一度座り、 そっと額に唇を落とした。 唇を離すと同時に、家の鍵が開く音が聞こえた。 あのガキどもか…? 立ち上がろうとするけど、高野は俺の服を離そうとしない。 どうすればいいんだよ…。 俺は「はぁ」とため息をつき、座り直す。