そう思いながら授業を受ける。 いつもより、全然頭に入らなかった。 頭の中は…あいつでいっぱいだった。 あいつの、 金魚みたいに真っ赤な顔が頭から離れない。 放課後になって、俺は教室を飛び出した。 目的地は、ただ一つ。 こんなにも、急いでマンションに向かったなんてあったっけ?? いや…きっと、小学生以来だと思う。 なぁ… お前がいないだけで、俺の生活は全然違うんだよ。 自分の中での”高野”の存在の大きさに、 自分でも驚いていた。