学校に着き、高野の席を見る。

まだ…来てない??

俺は黙って席に座る。

前の席に座っていた圭が、振り返る。


「なぁ、実來の休みの理由知ってる?」

「休み?」

「だって来ねーじゃん」


まぁ…そうだけど。


「俺より、お前の方が知ってそうじゃん。幼なじみさん」

「バァカ。それ何年前の話だよ」

何年前って…幼なじみはずっと続くもんだろ?

「俺も…あいつの事、全部知ってる訳じゃねぇんだよ」


そのときの圭の表情は、

どこか切なそうで、


どこか…寂しそうだった。