【完】金魚色の恋








「委員会の仕事のほうが、大事だろ」


そう言って、残りの名簿に名前を書いて行く。

「つーか、この学校、なんで名簿が手書き?
普通、コピーだろ」

「…ありがと」

「ぇ」

「ありがと、三橋くん」


ニコッと笑う高野。

そんな表情を見た瞬間、


心臓の鼓動が早くなる。



「…ぁ、あぁ…いや、いいよ」



なんだよ、これ。

こんなの自分じゃないってわかってる。

だけど、早まる鼓動についていけない。