【完】金魚色の恋






少し、寂しそうな顔をする高野。

そんな高野に、「何すればいいの?」と優しく問いかける。


「ぁ…えっと、1学期分の出席確認するための名簿表作り…」

「ん。…悪かったな、任せて」

「う、ううん…」

「言ってくれればやるっつの」

「…だって、カラオケ、行きたそうだったから…」

下を向いて、小さな声で言う。



アホか…こいつ。

カラオケなんて、いつでも行けるんだよ。

ってか、あんなの暇つぶしだし。

行きたいわけじゃなかった。

むしろ、行きたくなんてなかった。