…懐かしい夢。
こんな夢を今更見るとか。
翌朝、俺はいつもの時間に家を出る。
マンションを出れば、
いつも通り…高野が立っていた。
「お、おはよ…あの、お弁当…」
高野は弁当を俺に渡そうとする。
「昨日、いらないって言ったろ。
俺、コンビニ行くから先行って」
「…ぁ…ご、ごめん…わかったっ」
高野は、はにかむように笑った。
俺は「じゃ」と言ってコンビニに向かう。
『わかったっ』
はにかむように、笑っていた。
だけど…
その笑顔は、
どこか泣きそうだった。
『そうだねっ』
あのときの…笑顔にそっくりだった。
あのときも…
本当は、泣きたかったのだろうか。