【完】金魚色の恋






朝会いに行こうと

家を飛び出した

だけど

隣の家にはもう

誰もいなかった


俺は急いで階段を降りた


下には車が一台止まっている

ちょうど、──ちゃんが車に乗ろうとしていた


「…ごめんね」

「…」

「あのね、また帰ってくるんだって」

「…うん」

「これ、あげる。わたしの宝物」

渡されたのは、小さなテディベアのストラップ


「じゃあ、──、またね! 大好きだよ!」


──ちゃんはそう、


大好きな笑顔で言った