放課後、俺は自宅へと向かう。

自分の家の前に立つ。


「ねぇ、君」

「は?」


声がした方を見ると、20歳ぐらいの男の人が立っていた。

誰だよ、こいつ。


「君…実來ちゃんと友達?」


”実來ちゃん”…?

高野の名前を呼び捨てしている事に、イライラした。


「…クラスメイトですけど」

「まだ帰ってこない?」

「あいつなら、たぶん買い物行ってると思います」

「あーそっかぁ」


頭をかいて、「どうしよっかなぁー」と言っている。

「あの、俺家はいりたいんですが」

「ぁ、引き止めてごめんね。じゃあ、実來ちゃんによろしく頼むよ」

そう言って、男は帰って行った。

俺は、イラついた気分で家に入る。