【完】金魚色の恋






「…弁当、美味かった」


泣き続ける高野に、ひたすら言葉をかける。


「…お前ん家、親が帰って来てないのに、彼氏とかつくって…こまんねぇの?」


弟と妹がいて、しかも…その二人は、まだ小学生と保育園生。



「俺とつき合ってて、大丈夫なんですか?」


ひたすら、泣き続ける高野。


「…答えろよ」


俺がそう言うと、高野は泣きながら…答えた。




「好きなの…っ」





その言葉に、俺は、高野に目を向けられなくなった。

なぜか…

嫌だった。

向けたら、きっと…俺がむなしくなる。