【完】金魚色の恋






高野がリビングに入り、俺を見ると金魚になった。

「み、三橋くん…っ?!///」

「弁当届けに来たんだけど…」

「あ、ご、ごめんね!」


高野は両手に持っているスーパーの袋を下ろした。

スーパーの袋はもう、パンパンで、今にも破けそうだった。


「お姉ちゃん、今日バッグ持っていかなかったのー?」

「忘れちゃってっ」

「今日の夕飯なに?」

「ん、カレーだよー」


高野ニコニコしながら、言う。

…ふぅん、家ではこんな表情するんだな。


「高野、はい」


俺は高野に、弁当を渡す。


「ぁ、うん。ぇっと…」

「弁当、すっげぇ美味かった。
あんさ…こんな立場で言うのもなんだけど…

明日も、作ってくんね?」


「う、うんっ!!///」


いつものように、嬉しそうに微笑む高野を見て、少し安心した。