【完】金魚色の恋







HRが終われば、花澤と一緒に廊下に出た。

「メールも返信ないし、電話もでなくて……」

「神野さんは?」

「それが、神野さんも知らないみたいなの」

「……そっ、か」

「何か、知らない?」


花澤にそう聞かれて、

頭に浮かんだのは、昨日の実來。


『……なんでもないっ』


作り笑い、だったな……。


「放課後、行ってみるよ」

「あ、あたしも行く」

「いや……俺だけで行かせて」

「……わかった。何かあったら、連絡して」

「ん」


花澤とアドレスを交換して、俺は放課後になるのを待った。