買ったのはいいけど、これどうやって渡せばいいんだ……?
ため息をつきながら歩いていると、後ろから「三橋?」という声が聞こえた。
振り返れば、花澤が立っている。
「どうしたの?」
「……」
「ぁ、実來の誕生日プレゼント?」
なんでわかんだよ。
「ふふっ」
「何買ったの?」
「なんでもいいだろ」
「アクセとか?」
「……」
アクセとか……桁が一桁違うっつの。
「実來ってそっちのが喜ぶ?」
「えー知らない」
「はぁ? んじゃあ、お前毎年なにあげてるんだよ」
「んーいろいろ。ストラップとか、服とか」
ふーん……。
花澤は隣でクスッと笑った。