【完】金魚色の恋






「……はよ」

「実來ちゃんと、別れたんだってね」

「まぁな」

「……ねぇ、あたしとつき合わない?」

「……ごめん。俺は、あいつしか、好きになれない」


いつから、俺はこんな真面目な返答をするようになったんだ??

ほんと……自分でも、笑っちまうよ。



「言うと思った」

「……」

「いいこと、教えてあげる」

「は?」

「10月7日、実來ちゃんの誕生日」


10月7日って……明後日じゃねぇか。



「バカみたいに……一途だね」

「なんで?」

「いつまで見てんの?」

「……さぁ。ってか、俺、こんなキャラじゃないんだけど」

「だろうね……。わざわざ、マンションで鉢合わせないようにこんな早く出る必要、ある?」

「あるよ」


鉢合わせても……あいつが、困るだけだ。