あれから、数日。 俺は朝はいつもよりずっと早く出るようにしていた。 高野が、家からでるよりも前に。 圭とはいつも通り。 圭が、 「サンキュ。実來と上手くいった」 そう嬉しそうに言ってきた。 正直、嫌だった。 だけど、そんなことを言う権利なんて……俺にはない。 「そっか。良かったじゃん」 そう、言った。 本心でもないことを、言ったんだ。