【完】金魚色の恋






──キーン コーン カーン コーン


「……鐘、鳴ったぜ」

「戻ったって、質問攻め受けるだけだから行かない」

「戻れ」

「はぁ? 別に、あたしの勝手じゃ……三橋……」

「戻れよ」


俺の頬には、何年ぶりかわからない雫が流れている。



『京ちゃんっ!』




金魚みたいに真っ赤になる顔も、

恥ずかしそうにする仕草も、

嬉しそうに笑う笑顔も、

心の底から守りたいって思う泣き顔も、



全部……愛しくて、好きでたまらなかった。