─圭side─
中学一年生。
実來が、引っ越し先から戻ってきたときのことだ。
「圭くんっ! 久しぶりっ!」
この頃は……実來はまだ、男が苦手なんかじゃなかった。
「よっす。久しぶり、実來」
俺は、
離れていても……実來を想っていた。
─────……
「俺さ、とりあえずあいつのこと好きで……
隣が当たり前だったし。
一緒にいることが、当たり前だったんだよ」
─────……
「圭くん、あたしたち同じクラスだよっ!」
「マジで? よっしゃ」
「そんなに嬉しい?」
「忘れ物したとき借りれるじゃん!」
「それあたしが困るよっ!!」
本当は……実來と一緒のクラスで、本当に嬉しかった。