俺は、高野の頭を優しく撫でて、何も言わず部屋に入った。 自分の部屋に入り、ベッドに倒れ込む。 目をつぶれば、 頭の中を支配するのは……たった、一人だ。 『ありがとうっ!』 なんで…… あいつの、金魚みたいな笑顔がでてくるんだろう。 いくら目を開けたり閉じたりを繰り返しても、 頭の中で繰り返されるのは、あいつの笑顔で。 この時…… 俺は、自分の本音を、 見て見ぬ振りをしてたのかもしれない。