溢れ出てくる涙を、必死に手で拭っていく高野。
前の俺なら……その涙を、拭ってたかもしれない。
だけど、今は……その涙を、拭ってやることはできないんだ。
拭ってやる奴は……
俺じゃないと、思うから。
「高野、お前を必要としてる奴は……案外、近くにいんだよ」
自分は置いていかれた、
そんなこと、思ってんだろ??
でも……お前を必要としてる奴がいるんだ。
どうしようもないくらい、お前を好きすぎる、そんな奴がいるんだよ。
だから……
「泣くなよ」
誰も、お前の涙なんか望んでねぇって、言っただろ??
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