【完】金魚色の恋







「あのさ…中島先生が保健室に来いって」


怯えさせないように、優しい声で言った。

高野は、一回”のんちゃん”と顔を見合わせて、コクンと頷いた。

高野と一緒に保健室に向かう。

この時間は…中島先生は昼休みで保健室にいないはず…。

そう思いながら、保健室のドアを開けると…中島先生はいなかった。


「あれ…?」

「ぁーごめん、あれ嘘」

「ぇっ?!」

「まぁ…高野に話しかける口実?」

「???」

「…あのさ、一ヶ月つき合うってことで、ちょっと取引…しねぇ?」

「ぇっ」



俺は一回深呼吸をして、言った。





「俺たちのことは、誰にも言わないこと」



こんなことを言って…悪いとは思わなかった。

言っちゃえば、本当はつき合いたくないって言ってるようなもんだ。