翌日の、土曜日。
俺は圭の家に遊びにきていた。
「……なんだその夢物語」
「うっせ」
小さい頃の思い出を、圭に話し、昨日の浅野とのことを話した。
そしたら、「はぁ」とため息までつかれる始末。
「ってか、その女の子、本当に浅野?」
「……たぶん。
まだ、確信はない。手がかりは、ストラップだけだし……
「ふぅん……。
俺は……浅野じゃないと思うけどな」
「は? なんで」
「秘密」
切なそうに言う圭。
そして、ゆっくりと口を開いた。
「実來は、どうすんだよ」
「は?」
「名前だけでも、つき合ってんだろ?
浅野と一緒に帰ったりしたら、浮気と一緒だろ」
圭は、真っすぐな目で、真剣に話す。
そんな圭の姿は初めてで、驚きを隠せなかった。