【完】金魚色の恋







教室に入り、高野に目を向ける。

俺が一人できたことに驚いたのか、高野は目を丸くしていた。

俺は黙って席に座る。

しばらくすると、浅野が俺の前の席に座った。


「これ、いるっ?」

ニコッと浅野は笑って、俺にカロリーメイトをだす。

「まじ?」

「どーぞ?」

俺は「サンキュ」と言って、カロリーメイトを受け取った。

浅野は鞄の中に、コンビニの袋をしまう。

「さっきは、ごめんね。ヤキモチ、妬いちゃった」

「ん?……あぁ、別に。気にしねぇって」

「よかった!」

少し照れくさそうに笑った浅野。

このとき……

妙に、胸がざわついていた。

浅野の笑顔が……胸に、ひっかかるんだ。