翌朝、俺はいつもの時間にマンションからでる。

そこには……いつもの小さな背中と、あともう一人。

「ぁ、三橋! おはよ!」

「……はよ」

ニコニコと笑顔で、俺の方に駆け寄ってくる浅野。

「あのね、今日お弁当作ってきたんだ〜! あげる!」

「ぁー……俺、あるから」

「そうなの?」

「高野の手作り弁当」

俺がそう言うと、浅野はムッとした表情を見せた。

「えーせっかく作ったのにぃ……」

涙目になって、下を向く浅野。

そんな浅野を見て、俺はため息。

「……サンキュ」

そう言ってお弁当を受け取れば、浅野は嬉しそうに笑った。

「ありがとう!!」



その笑顔を見た瞬間……



『どこかで見た気がする』



そう、唐突に思った。