「じゃあ、ぱっぱと仕事終わらせちゃお!」


その後、三人で仕事を片付け、下駄箱のところへと向かう。

「じゃあね、高野さんっ!」

「うんっ。ばいばいっ」

そう笑った後の高野の背中を見つめる。

俺は、何も考えないで……思わず、高野の腕を掴んだ。

「……みつ、はしくん……?」

「わり、浅野。俺、こいつについてくから」

「ぇ、ぁ、ひ、一人で大丈夫だよっ?!」

そう言う高野を無視して、歩き始める。

「三橋、もう18時過ぎてんだよっ?!」

歩く俺を、少し焦り気味に引き止める浅野。

「“彼氏”だから」

そう言って、早歩きで歩く。

そんな俺を、金魚みたいに顔を真っ赤にして見つめる高野。



彼氏だから、遅い時間一緒にいる……

これって、普通なんだろ??




『あくまで浅野に疑いをかけないため』



と、心に言い聞かせていた。