「せっかく一緒のマンションなんだからさっ!
一緒に帰ろうよっ!」
……すっげぇ男子が好みそうな性格。
浅野の言葉を聞いて、瞬間的にそう思った。
たぶん、これが普通の女の子なんだよなぁ……。
「……だめ?」
「別にいいけど……」
「ぁ、高野さんと一緒に帰る予定だったっ?!」
「ぁー……」
まぁ、一緒のマンションだし……。
一緒に帰るつもりではあった。
「ぁ、あたし今日行かないといけない所あるから、仕事終わったら二人で帰って!」
「そうなの? でも……いいの?」
「うんっ!」
そう笑う高野は、
どこか……泣きそうな表情だった。