【完】金魚色の恋






『こんにちは。このマンションに引っ越してきた、浅野麗華です』


夏休み中に挨拶された時のことを思い出す。

チラッと高野の方を見れば、高野も目をまんまるにして驚いている。



まさか、同い年だったとか……。



浅野さんの席は、窓側の一番後ろ。

俺たちのクラスは元々偶数だったため、浅野さんは一番後ろで一人。


「あー浅野いきなり一人は可哀想だから……誰か変わってやれ」


いや、増島先生。

俺たちの席は1列ずつに間があるから、隣とか関係ないんだけど??


でも……窓側一番後ろ、なんていう貴重な席を逃すわけにはいかない。

俺が手をあげようとすると、圭は俺の頭の上に肘をついて、手を挙げる。

「はーっい!! 山崎が変わりまーっす!」

「おーんじゃ、山崎変われー」


おいおいおい!!
増島、お前俺が邪魔されるところ見てただろっ?!

今でも圭の肘の下敷きになっている俺を見て、クラスの奴らはクスクスと笑う。

俺は無理矢理圭の肘をどかした。