【完】金魚色の恋






「んじゃ、学校行きますか」

「う、うん…?」

俺が吹き出した理由がわからないからか、首を傾げながら俺の隣を歩く。

…これからは、こいつとつき合ってるって言っていいんだよな。

いや…でも、「俺たちつき合ってます」って自分たちから言うのは変だし。

聞かれたら答えるぐらい??


「…なぁ」

「ん?」

「高野は”つき合ってる”って言えて、嬉し?」


俺がそう聞くと、高野はまた、金魚になる。

そして、

小さくこくんと、頷いた。


「…そっ、か」

「三橋くんは…嫌?」

「別にっ。聞かれたら肯定するぐらいだな」

「そっか…」


少し寂しそうに笑う高野。

そんな高野を、



無性に抱きしめたくなった。