【完】金魚色の恋







「俺が怒ったのは、お前が別々で食べようなんて言ったから。
せっかく二人できてたのに、別々で食べるなんてさ。
すっげぇ腹立った」

「…」

「…腹立つんだよ。
お前が、俺の食べたい物を食べてもらおうって思ったのはわかってる。

だけど…



大切な奴に、そんなこと言われたくない」


俺は、真っすぐ高野を見ながら言う。

顔を真っ赤にする高野。


「もう、自分を下げて生きるな」



俺がそう言えば、高野は、俺の胸に飛び込んできた。

そんで、何度も…「ごめんなさい。ごめんね…」と、ずっと言っていた。


俺は、優しく高野の頭を撫で続ける。