【完】金魚色の恋






「み…高野、大丈夫か?」

”実來”なんて…呼べる立場じゃない。

「…きょ、ちゃん…?」


高野の言葉に、

心臓が張り裂けそうだった。



お前の目は…誰を見てんだよ。




「三橋くん…?」

「…実から、電話があった」

「…ごめんなさい」

「怒ってない…わけじゃねぇけど。
あのさ、なんのために、電話番号教えたと思ってんの?
今回は実が電話してきたからよかったけど、実もいなかったら、どうしてたんだよ」

「…っ」

「具合が悪いのぐらい、自分が一番わかるだろーが」



ベッドに潜ったままで、なにも言わない高野。