「とりあえず、この前のベッドに運ぶか」
「お、おぅ…」
「胡桃は?」
「清二さんのところ」
「お前も、これから行くんだろ?」
「うん…でも」
実は、気まずそうな顔で見上げる。
「行け。こいつが…お前をここに置くことを許すかよ」
「…頼んだぜ、京哉」
「おぅ」
実は、用意していた鞄を持って、部屋を出て行った。
カチャと、鍵が閉められた音が聞こえ、俺は実來をそっと持ち上げた。
「かるっ」
持ち上げた瞬間、自然とでた言葉。
こいつ…確実に体重減っただろ。
前運んだときも軽いと思ったのに…。
そっとベッドに運べば、
高野の目がそっと開いた。

