【完】金魚色の恋





電話に出れば、『京哉!!』と俺の名前を呼ぶ小学生ぐらいの男の子の声がした。

まさか…

「実か?」

『おぅ』

「どした?」

『実來姉ちゃんがさ…熱だしちゃったんだよ」

また??

あいつは…どんだけ熱をだすんだよ。

『最近眠れてないみてーでさ。
俺も胡桃も、清二さんのところ行かないといけねーんだ。
清二さんも仕事あるから、家にいられないし…なぁ、実來姉ちゃんのところにいてくれよ』


こんなことを言われて…

前の俺だったら、

即答で断ってた。


なんで行かないといけねぇんだ、

熱なんて寝てれば治る、

そんなことを言ったに違いない。

だけど…


「今行くから!! そこで待ってろ!!」


俺は、あいつに変えられてるのかもしれない。