【完】金魚色の恋







「ぁ、高野実來です。
部屋を留守にしてて、すみません」

「い、いえ! あ、あのぉ…失礼なんですけど、お二人は…つき合っているんですか?」


その質問…すっげぇ困る。

いや、前までは「つき合ってない」って即答してるんだけど…。

今回の場合、延長を要求したのは俺なわけで。

自意識過剰だけど、高野は俺のことを好きで…

「つき合ってない」なんて…言いにくいだろ。


チラッと高野を見ると、少し寂しそうな顔をしていた。

俺はそんな高野の手をとって、強く言った。


「はい、つき合ってます」


浅野さんは、もちろん驚いている。

だけど、

もう一人…俺の横でも、一人…驚いてる奴がいる。


「そ、そうですか…とってもお似合いですね!」


「ありがとうございます。
それじゃ、失礼しますね」

「はい、これからもよろしくお願いします」


俺はそうお礼を言った。