俺はリンダの後を黙ってついて行く。なんとなく彼女の後ろ姿をジッと見ていた俺は、本来の自分の行動や考えを深く疑い始めていた。 確かにリンダは可愛い。だけど、本気で中学生を相手に付き合ったりするだろうか? 世の中にはそうゆう奴もいるかもしれないが、俺にはそんな趣味は無い。今の俺に記憶が無いとはいえ、趣味や思考まで変わるものだろうか? 考えれば考える程に、自分というものがわからなくなる。 もしかしたら本来の俺は中学生なのかも? だったらリンダとの関係も納得できるんだが、そうなるとユリスとの関係が微妙になってくるんだよな。あるいはユリスの趣味まで疑うべきかな。 間もなく世界が終わろうとしている時に、俺は一体何を考えているんだろうな。
「なあ、俺ってどうゆう奴だった? 覚えてる事を教えてくれよ。」
俺は興味本位からリンダに問い掛けた。振り返ったリンダは、しばらく黙っていたが、やがて楽しそうに話し始めた。
「一言で言うと変わり者だな。 他のみんなと趣味が合わない、食べ物の好みも違う、服のセンスも微妙。はっきり言って普通ではなかったな。」